こんにちは!「京都の設備屋さん」です。
私たちのような職人の世界では、現場の安全や商売の安定はまさに「命の綱」。
そんな私たちの毎日を陰ながら支えてくださる心強い味方が、皆さんもよくご存じの「お稲荷様」こと、宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ)様です。
もちろん、赤い鳥居の前で静かに手を合わせるだけでも十分なのですが、その由来や神話を少しだけ深く知ることで、神様との「ご縁のパイプ」がより太く、強固に繋がると私は信じています。
配管もしっかりした接続が肝心ですからね。
「なぜ、お使いが狐さんなの?」「どんな親神様からお生まれになったのかしら?」といった、知っているようで意外と知らない疑問を一つひとつ紐解きながら、お稲荷様が持つ素晴らしいご利益の秘密を、分かりやすく丁寧に解説させていただきます。
毎日美味しいご飯をいただける、そんな「当たり前という名の幸せ」を司る神様を、今よりもっと身近に感じていただけるはずです。
どうぞ、現場の休憩時間にでも、お茶を片手にゆったりとお楽しみください。
宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ)とは?

お名前の響きに込められた「生命の根源」
「宇迦之御魂大神」というお名前、漢字が並ぶと少し堅苦しく感じてしまいますよね。
まるで難しい設計図を渡された時のような気分になるかもしれません。
ですが、その響きを紐解いてみると、実は驚くほど温かい意味が込められているんです。
「ウカ」というのは古語で「食(うけ)」、つまり私たちが毎日いただく食べ物のこと。
つまりこの神様は、「食べ物に宿る神秘的な魂」そのものを指していらっしゃるのですね。
「今日のご飯も美味しいな」と感じる瞬間の、まさにその中心にいらっしゃる神様だと思えば、一気に親近感が湧いてきませんか?
私たちがお邪魔する京都の古いお宅でも、台所の火の神様とお並びになって、このお稲荷様のお札が大切にお祀りされているのをよくお見かけします。
命を繋ぐ食卓をずっと守ってこられた、職人のように実直で優しい神様なんですよ。
性別はどっち?美しき女神としての姿
神話の世界を覗いてみますと、宇迦之御魂大神は一般的に、大変美しい「女神様」として描かれることが多いようです。
黄金色に輝く稲穂がゆらゆらと豊かに実る様子を、古来の人々は女性の深い慈愛や、溢れ出すような生命力に重ね合わせたのかもしれませんね。
もちろん、神様の世界ですから人間のような厳格な性別があるわけではありませんが、多くの絵画や伝承では、息をのむほど気品あふれる女性の姿で表現されています。
私たち設備屋の目線から見ても、ピリッとした緊張感の漂う現場を、柔らかく包み込んでくださるお母さんのような存在に感じられます。
その懐の深い包容力に見守られていると思うと、難しい配管作業もなんだかスムーズに進むような気がしてくるから不思議なものですね。
神話が語る「お稲荷様」誕生の由来

『古事記』と『日本書紀』で語られる出自の謎
日本神話の二大巨頭とも言える『古事記』と『日本書紀』ですが、実はこの両者で、宇迦之御魂大神の生まれ方は少しばかり異なって記されているんです。
『古事記』によれば、あの勇猛果敢な須佐之男命(スサノオノミコト)の愛娘とされていますが、一方で『日本書紀』を開いてみますと、国生みの父と母であるイザナギ・イザナミの両神が、空腹を感じられた際に生まれたと語られています。
どちらの説にしても、世界の創造という大舞台に深く関わる、極めて尊い血筋であることに変わりはありません。
「お腹が空いた」という切実な感覚から神様がお生まれになるなんて、なんだか人間味があって素敵だと思いませんか?
神様の世界においても、食べ物を司る存在がいかに大切に、そして特別な思いを持って迎え入れられてきたかがよく分かります。
私たち設備屋が「何よりもまず現場の段取り」を重んじるように、神話の世界でも「食」という生命の根幹は、最優先の重要事項だったのかもしれませんね。
父・スサノオから受け継いだ力強い生命力
『古事記』のお話に基づきますと、お父様はあの勇猛な「スサノオノミコト」、お母様は市場を司る女神「神大市比売(カムオオイチヒメ)」とされています。
いわば、パワフルな「破壊と創造」のエネルギーを持つお父様と、物の流れ、つまり「流通」を仕切るお母様。
そんなお二人の間に生まれた宇迦之御魂大神ですから、単に稲をじっくり育てるだけでなく、それを世の中に力強く巡らせるエネルギーも持ち合わせていらっしゃるのですね。
私たち設備屋の仕事も、水を滞りなく循環させることが肝心ですが、京都の街が千年以上も輝き続けてきたのは、この神様が司る「生命の循環」という大きなパイプが、街の隅々にまでしっかりと根付いているからかもしれません。
そんな壮大な歴史の連なりを思うと、路地裏の小さなお稲荷さんも、なんだか頼もしい「街のコントロールセンター」のように見えてきませんか?
なぜ「稲荷神」として全国へ広まったのか

伏見稲荷大社の創建と「イナリ」の語源
「お稲荷さん」という親しみやすい呼び名のルーツを辿りますと、今から千三百年以上も昔、和銅四年に京都の伏見の山へ神様が降り立たれたことに始まります。
そもそも「イナリ」という言葉は、稲が豊かに実る「稲が成る(いねなり)」という響きが少しずつ変化したものだと言われているんですよ。
当時の伝説では、伏見の山に稲束をくわえたような真っ白で美しい鳥が飛んできて、その場所に稲がたわわに実ったと伝えられています。
真っ白な鳥が舞い降りて、黄金色の稲穂が頭を垂れる……なんとも絵になる光景ですよね。
これを私たちの仕事に例えるなら、苦労して組み上げた配管に、初めて勢いよく水が通った瞬間のようなものでしょうか。
滞っていた物事がスッと完成し、目に見える成果となって現れる。
そんな「やった!成功だ」という晴れやかな喜びが、この「稲荷」というお名前にはギュッと詰め込まれているのですね。
秦氏の技術力と信仰が融合した背景
お稲荷様を世に広める大きな力となったのは、京都の街づくりに多大な貢献をした渡来系の一族「秦(はた)氏」の方々です。
彼らは、川の流れを制御する治水や立派な建築、さらには養蚕といった、当時の最先端テクノロジーを操るエリート集団でした。
そんな技術者集団である彼らが、宇迦之御魂大神を氏神として大切にお祀りしたことで、農業の枠を飛び越え、商売や工業の神様としても広く敬われるようになったのです。
最先端の技術という「ハード面」と、神様を敬う心という「ソフト面」。
この二つが車の両輪のようにガッチリ噛み合って、今の京都の礎を築いてきた歴史を知ると、同じ職人として胸が熱くなりますね。
技術だけでは足りない、信仰だけでも届かない……
そんな現場のリアリティを、千年以上も前から秦氏の方々も大切にされていたのだと思うと、なんだか誇らしい気持ちになってしまいます。
狐とお稲荷さんの切っても切れない関係

狐は神様ではなく「お使い」の役割
「お稲荷さんは狐さんそのもの」と勘違いされている方も意外と多いのですが、正確には、狐さんは神様のお供……いわゆる「神使(しんし)」という大切なお役目。
神様と私たち人間を繋いでくれる、非常に賢くて忠実なメッセンジャーのような存在なんです。
では、なぜ他でもない狐さんなのでしょうか。
一説には、春になると山から降りてきて稲を荒らすネズミを退治し、収穫が終わる秋に山へと帰っていく狐さんの姿が、農家の方々には「田の神様が遣わしたお使い」のように見えたからだと言われています。
また、ピンと立った狐さんの尻尾が、たわわに実って黄金色に輝く稲穂にそっくりだったから、というなんとも風流な説もあるんですよ。
私たち設備屋で言えば、現場の状況を的確に伝えてくれる頼もしい相棒のようなものでしょうか。
そう思うと、お社の前でキリッと座っている狐さんたちが、なんだかとても親しみやすく見えてきますね。
狐がくわえる「鍵」と「宝珠」に隠された秘密
お稲荷さんの狐さんをじっくり眺めてみますと、お口に何かをしっかりとくわえていらっしゃいますよね。
あれは「鍵」であったり、あるいは「宝珠(ほうじゅ)」という不思議な玉であったりすることが多いんです。
「鍵」は神様の宝蔵を開く力を、そして「宝珠」は神様が持つ霊験あらたかなパワーそのものを象徴していると言われています。
私たち設備屋も、お客様から大切な現場の鍵を預かることがございますが、それは「あなたなら任せられる」という深い信頼の証でもあります。
そう考えますと、狐さんたちも宇迦之御魂大神から豊かな福徳を管理する権限を任された、いわば神様公認の「現場監督」のような存在なのかもしれません。
神様の懐にある素晴らしいお宝をしっかりと守り、ここぞというタイミングで私たちに届けてくれる……。
そんなキリリとした狐さんたちの姿を見ていると、私たちも背筋を伸ばして、誠実な仕事をしなければと身が引き締まる思いがいたしますね。
宇迦之御魂大神がもたらすご利益の秘密

五穀豊穣から商売繁盛へ進化した理由
もともとは農業を司る神様だった宇迦之御魂大神ですが、江戸時代に入り都市の活気が増してくると、驚くほどの勢いで「商売繁盛の神様」として全国に広まっていきました。
というのも、「稲が立派に実る」ということが、商人の方々の間では「努力が成果を結ぶ」、ひいては「利益が上がる」というおめでたい連想に繋がったからなのですね。
今でも京都の歴史ある老舗さんから、最先端のIT企業さんに至るまで、皆さんがお稲荷様を大切にお祀りされているのは、この「実り」をもたらす確かなお力を信じていらっしゃるからなのでしょう。
たとえどんな職種であっても、日々の地道な積み重ねが最後には目に見える形となって実を結ぶ……。
そんな、私たち働く人間にとって一番のご褒美を届けてくださるのが、この神様の本当に凄いところ。
コツコツと配管を組み上げる私たち職人にとっても、これほど頼もしく、また背中を押してくれる存在は他にありませんね。
現代生活を守る「衣食住」のトータルサポート
宇迦之御魂大神様が届けてくださる福徳は、今や商売繁盛だけにとどまりません。
よく考えてみますと、「食べ物を司る」ということは、私たちの身体を作る日々の健康や、食卓を囲むご家庭の円満、さらには住まいの安定そのものに直結しているのですね。
私たち設備屋が水回りをピカピカに整えることで、お客様の暮らしに笑顔をお届けするように、この神様は私たちの生活の基盤、いわゆる「衣食住」のすべてを丸ごとバックアップしてくださっているようなものなのです。
お祭りなどの特別な日だけでなく、蛇口から水が出る時や温かいご飯を口にする時など、日常のふとした瞬間に「いつもありがとうございます」と感謝をお伝えしてみてください。
そうすることで、神様のご利益がまるでいつもお世話になっているご近所さんのように、より一層身近で温かいものとして感じられるはずですよ。
まとめ

「お稲荷さん」という愛称ですっかりお馴染みの宇迦之御魂大神様は、古事記や日本書紀にもその名を連ねる、実に由緒正しい食の神様です。
そのお名前が示す通り、私たちの命の源である「食」に宿る尊い魂を神格化した存在でして、伏見稲荷大社の創建をきっかけに「稲荷神」として全国へ広く知れ渡ることとなりました。
かつて秦氏の方々が京都にもたらした高度な技術力と、この神様への深い信仰がガッチリと組み合わさったことで、農業の神様という枠を超え、商売繁盛や現代の産業振興までを支える「万能の神様」へと進化を遂げられたのです。
今でも、賢く忠実な狐さんをお供に連れて、日本中のあちこちで私たちの暮らしを優しく見守り続けてくださっています。
こうして神様のルーツを少しだけ知っておくことで、いつもの参拝が「あれこれお願いする場」から、自分たちの命を支えてくれる神様への「深い感謝をお伝えする場」へと変わるはず。
そうなれば、神様との心の距離もグッと縮まるような気がしますね。

皆様の毎日に、豊かな流れがありますように!





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