皆さん、こんにちは!「京都の設備屋さん」です。
前回の記事では、稲荷大神様が「生業(なりわい)の神様」として、私たちの人生の滞りを解消してくださるというお話をさせていただきました。その深い知識を携えれば、もう伏見稲荷大社を見る目が変わっているはずです。

さて、ご本殿でご挨拶を済ませ、有名な千本鳥居をくぐり抜けるのは、あくまで「お山巡り」への入り口に過ぎません。
多くの観光客は、奥社奉拝所にある「おもかる石」で引き返してしまいますが、本当に力強いご神威は、その奥の稲荷山(いなりやま)全体に宿っているんです。
この稲荷山こそが、伏見稲荷大社そのものの御神体。
今回は、地元の人間で、日々神様とご縁をいただいている私「京都の設備屋さん」が、この「お山巡り」の正式なルートと、ご利益を倍増させる「ご神跡(ごしんせき)」の正しい巡り方を、細部にわたって丁寧に解説します。
体力と時間がある方は、ぜひこのガイドを頼りに、神様が鎮座される聖域へと足を踏み入れてみましょう!
「お山巡り」とは?挑戦する前に知るべきこと

稲荷山は「ご神体」そのもの
さて、いよいよ「お山巡り」です。これは稲荷山の山頂である一ノ峰(いちのみね)を目指し、道中に点在する数々のご神跡や、大切な末社を一つ一つ巡拝する、古式ゆかしい参拝の道のことです。
山全体が稲荷大神様の御神体である伏見稲荷大社においては、このお山巡りこそが、最も正式で、最も深く、力強いご利益をいただける巡拝となります。
ただ景色を眺めるだけでなく、神様が鎮座される聖域を丁寧に歩かせていただく、という心構えで臨みましょう。
所要時間と装備の目安
このお山巡りですが、片道で引き返すのではなく、山を一周する形で巡拝するのが正式な作法です。
- 所要時間:奥社奉拝所をスタート地点として、山を一周して戻ってくるまで、だいたい2時間から2時間半を目安に考えておいてください。
- 装備:道はほとんど石段で舗装されていますので、本格的な登山装備は不要です。ですが、上り下りの坂道が続きますので、足元は必ず歩き慣れた靴を選んでくださいね。特に暑い時期は、脱水症状にならないよう、水分の補給だけはくれぐれも忘れずに。万全の準備で、聖域へと向かいましょう。
お山巡りの正式ルートと見どころ

スタート地点:奥社奉拝所から「四ツ辻」まで
千本鳥居をくぐり抜け、「願い事を託すおもかる石」のある奥社奉拝所。ここから先が、いよいよ稲荷山という御神体の懐深くへと入っていく、本格的な参拝路となります。
この辺りから、鳥居の数が少し落ち着き、静かな山道に変わり始めます。
道中に点在する小さな社、「末社(まっしゃ)」にもぜひ注目してください。
これらは、単なる脇役ではありません。すべてが、稲荷大神様のご神威が分かれ、宿っている大切な場所なのです。
山道を歩きながら、その一つ一つに丁寧に手を合わせる。これが、お山巡りをされる方への、神様からの最初のお心遣いかもしれませんね。
絶景ポイント「四ツ辻」で一服
登り始めて、少し息が上がってきたな、という頃合いでしょうか。やがて、視界が一気に開ける場所にたどり着きます。それが、お山巡りの重要な交差点である「四ツ辻(よつつじ)」です。

ここは山の中腹に位置する、本当にありがたい場所。交差点という意味合いだけでなく、京都市内を一望できる、まさに最高の休憩スポットなんですよ!
眼下に広がる京の街並みを見下ろしながら、ここで一服するのは格別です。
風を感じ、遠くを眺めるこのひとときこそ、稲荷山全体からいただく、ご神威による「心の栄養」かもしれませんね。焦らず、景色を楽しみながら、英気を養ってください。
核心のルート:四ツ辻から「一ノ峰」
四ツ辻で景色を堪能し、力が湧いてきたら、いよいよ稲荷山の核心部へと向かいましょう。ここからはルートが左右に分かれますが、「右回り(時計回り)」で巡拝するのが、古くから伝わる正式な作法です。
私たち設備屋が常に水の「流れ」を大切にするように、参拝においてもご利益の「流れ」を意識し、順番通りに回ることが大切なんですね。さあ、ここからが本当の「お山巡り」の始まりです。心して進みましょう。

お山巡りを右回り(時計回り)で行うのは、古くから神社や仏閣の巡拝において、中心を右側に見て回る「右繞(うにょう)」という作法が、最高の敬意を示す方法とされてきたためです。これは、太陽の運行にならった自然な流れであり、ご利益が順調に、滞りなく流れていくことを願う理にかなった巡拝の作法なのです。
私たち設備屋は水の流れを大切にしますが、参拝も同じ。ご利益の「流れ」が滞らないよう、順番通りに、敬意をもって回ることが大切なんです。さあ、ここからが本当の「お山巡り」です。
稲荷山の頂上「一ノ峰」で拝礼
右回りの巡拝路を進んでいくと、いよいよ最初に現れるのが、稲荷山の山頂にある「一ノ峰(いちのみね)」です。
標高は233mとそれほど高くはありませんが、ここに鎮座する末社こそが、稲荷大神様を祀る聖域の最高地点となります。

一ノ峰は、稲荷山(標高233m)の山頂に位置する、お山巡りの最高地点です。この場所には、末社である上社(かみやしろ)が鎮座しており、稲荷大神様を祀る聖域の中でも、最も尊い場所の一つとされています。ここに辿り着くことが、お山巡りにおける最大の目標であり、深い感謝を捧げる場所です。
ここまで自分の足で登り切った達成感と共に、日々の生業への深い感謝の念を込めて、拝礼を捧げてください。
まさに、神様が一番近くで見守ってくださっていると感じられる、清々しい場所ですよ。
下りルート:ニノ峰、三ノ峰を巡る
一ノ峰で清々しい気持ちになり、感謝の拝礼を終えたら、巡拝路は徐々に下り坂に入ります。
一ノ峰で拝礼を済ませたら、ルートは徐々に下り坂に入ります。これで一安心、と気が緩みがちですが、ご神跡巡りはまだまだ続きますよ。
道中には、二ノ峰(にのみね)、そして三ノ峰(さんのみね)といった、稲荷山に鎮座する大切な末社が控えていますが、これらもすべて、御神体である稲荷山の一部であり、稲荷大神様のご神威が宿る場所です。

二ノ峰は、一ノ峰を下った先にある、稲荷山の第二の峰に位置する重要なポイントです。この場所には末社である中社(なかやしろ)が鎮座されており、一ノ峰と同様に稲荷大神様を祀っています。参拝者はここで再び心を鎮め、感謝の念を捧げます。山頂からの下りルートで最初に立ち寄る、ご神威を感じるための大切な中継地点です。

三ノ峰は、二ノ峰を過ぎてさらに下る途中にある、稲荷山の第三の峰です。この峰に鎮座するのは末社である下社(しもやしろ)であり、この社も稲荷大神様を祀る聖域の一部です。お山巡りは、ただ頂上を目指すだけでなく、これらすべての峰を巡ることで「稲荷山全体のご利益」をいただくことができます。最後まで気を抜かず、丁寧に拝礼しましょう。
決して、山を下りることに気を取られて駆け下りるようなことはしないでください。
道中の鳥居や、一つ一つの末社にも心を配りながら、最後まで丁寧な気持ちで巡拝を続ける。
これが、神様への真の敬意となりますので、最後の最後まで、この聖域を歩く感動を噛みしめましょう。
ご利益を倍増させる「ご神跡」の巡り方

鳥居の裏側に刻まれた「生業の想い」
お山巡りの道中を歩いていると、本当に膨大な数の鳥居が立ち並んでいることに驚かされますよね。
そして、その朱色の鳥居の裏側には、奉納された会社や個人の「熱い願いや、奉納した年月日」がしっかりと刻まれているんです。
これこそが、稲荷信仰が「生業(なりわい)の神」であることを示す、生きた歴史の証だと私は感じています。
鳥居をくぐる際は、ご自身の「日々の生業への感謝」を捧げると共に、この鳥居を奉納した、見知らぬ方々の「どうか商売がうまくいきますように」という熱い想いも感じながら、一歩一歩、大切に歩んでみてください。
神璽勧請者が伝える巡拝の心得
最後に、私のように神璽を自宅に勧請し、日頃から神様とご縁をいただいている者として、皆さまにお伝えしたい大切な心得があります。それは、「聖域には、決してゴミを一つも残さない」ということです。
稲荷山は、神様そのものが鎮座されている御神体です。私たちの設備工事の現場と同じで、清掃が行き届き、整然としていることが、神様への最高の敬意となります。
まとめ:お山巡りは人生の流れを良くする

さて、今回の「お山巡り」のお話、いかがでしたでしょうか。
伏見稲荷大社の巡拝は、単に景色を楽しむ登山やウォーキングではありません。
千本鳥居という「心の配管」を通り抜けた先に広がる、人生の淀みを解消し、力強い流れを生み出すための、最も尊い修行の道だと私は感じています。
確かに体力は必要ですが、あの稲荷山を自分の足で登りきった時に感じる清々しい達成感と、山全体からいただくご神威は、何物にも代えがたい「生きる力」となって、必ず皆さんの中に宿ります。
ぜひ、このガイドを羅針盤に、感謝と敬意の気持ちを胸に抱いて、伏見稲荷の真髄へと足を踏み入れてみてください。
巡拝を終える頃には、きっと心が晴れやかになっているはずですよ!

皆様の毎日に、豊かな流れがありますように!


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